≪健康に繋がる運動のポイント≫

 

      ≪体調改善に結び付かなくなり始めた身体≫

 私は、体調が優れなくなる度、軽い運動をして体調改善をしていた。30代までは、まるで健康貯金があるかのような感覚で運動が出来たし、極端な話、身体を動かすだけで体調は良くなっていた。

 30代や40代であれば気楽に出来た運動、問題は翌日の筋肉痛程度の痛み。  考えようによっては、むしろ心地良ささえあった。筋肉痛の痛みさえ除けば、身体はすぐに軽くなった。しかし、年齢を重ねるにつれ、あれほど簡単だった運動も、一つ間違えると大変。同じ筋肉痛も、まるで肉離れのような痛みが何日も続く。そしてしまいには、痛みのために、何ヶ月も歩くことすらままならぬように変わって行った。

 こうなれば、私が知るところの筋肉痛の領域はすでに超えているだろう。息切れも早く訪れるし、予想をはるかに超える体の変調も押し寄せ、居座り続ける。まさに運動をすればするほど、体調をおかしくする。どんな運動を仕掛けても、こうなってしまった体には通用しない。こんな時、他人様の体であれば、体型的問題も、体質的な問題も、体を見れば具体的に判断がつく。また、体の操作手順も「神がかり的」に、他人であれば判断できる私。だが自分の体や、自分自身の体の動きは、嘘のように何も分からないのだ。もちろん、自分の整体は受けようもない。ただただ、試行錯誤の年月が続いた。

 

 何年か前に、散歩に出た時の話である。普段ほとんど動かない私、けっして健康的な生活スタイルではない。体にとっては、そんなメタボを無視する突然の悪行、突然の散歩など体に良いわけはない。

 そんな自分の体の都合も気づかず、「ああ~天気が良くて気持ちいいな~」などと、のんきに調子に乗る始末。必然的に散歩距離は、遠くへ遠くへと延長されていった。

 「あっ!胸が痛い。」

 突然、心臓付近に走る激痛!

 もう忘れたが、以前にもこんな経験をしている。しかし、その時は一瞬の痛みであったので、すっかりと忘れていた。

 しかし、今回の痛みは明らかに以前のものとは違う。胸を強く押さえ、痛みが去るのを待つしかない私。数分の間うずくまっていた。徐々に徐々に痛みは引いていく。

 何回となく、強く打ち寄せる痛みの波。

 数分後、ゆっくりゆっくりとスロモーションビデオに映し出された引き潮の波が、あたかも痛みの水嵩とともに引き始めたように、痛みがゆっくりと引いていく。

 そう、間違いなく心臓が萎縮していたようだ。それはまるで「心臓のこむら返り」のような感覚であった。もちろん、「心臓のこむら返り」などと言う考えも、表現も医学的には存在していないのかもしれないが、まさにぴったりの感覚であった。

 心臓には何の不安も感じてはいなかった自分。これは初めて老化を具体的に感じた瞬間であったであろう。それでもなぜか不思議と、心臓病とは考えなかった。強く感じたのはメタボ的運動不足。しかも、自分にとって、人間の生活スタイルとしては、やり過ぎた運動不足状態。いつでも取り戻せると考えていたのであろう。

 しかしこの事象は、一般的には軽いとはいえ心臓発作。自分的に、基礎体力(本能的な復活力)には根拠のない自信はあった。そんな私の常識を打ち壊す、たかが散歩中の出来事。いろいろな意味での「たかが散歩中」の出来事だけに、逆に深い問題を感じる。

 体に関してはケガのプロを自称する馬鹿者にも、やってきた「老化現象」であると考えた私であった。このことを機会に、多少は運動を試みるが、これが何かと「以前とは違う」のである。

 運動しても体力は回復しないし、体調もおかしい。運動後の体の反応がまったく予想とは異なっているではないか。それからというもの手を変え品を変え、体に健康アプローチを試みるが、上手くはいかない日々が過ぎた。「日々が過ぎた」というより「年月が過ぎた」と、言う方が正しいのであろう。 

 この結論にたどり着くのに、10年は費やしたであろうか、ようやくたどり着いた結論。その健康運動法が「10分登山健康法」であった。

 

 今現在は、この運動法を検証中ですが、運動後の問題がとても少ないのです。

 私の体は、長年の「怪我の積み重ね」と「極端な運動不足」も合体され、まるで病人のような体です。そんな私の体を「確実に安全に体調を整えて行く」思考と出合ったと考えております。今はまだ、登山という、誰にでも手軽に取り組める手法ではありません。勿論、手法自体は簡単なのですが、登山には「山が必要」ですから、山が近くにある生活圏の方には良いですね。

 20代の一時期には、北アルプスによく訪れました。

 今年の夏には仕事を休み、もう一度北アルプスに行こうと考え始めた今日この頃。

 「そんなの、アリか?」と、自分自身に猜疑心がいっぱい。でも、一部の人には有名な負けず嫌い。しかも、超一品の!

 実行力には定評がある、型破りの人生。でもここは押さえていこう「老人体力」。

 

 はい、健康に繋がる運動法は、運動の種類にあるのではなく、それぞれの体質や体調、体力、生活スタイルなどの、諸条件を含めた総合的な思考が大切になります。考え方として簡単なポイントは、「とても軽い運動」、「とても短時間の運動」、「極端なストレッチを避ける」、「重力を味方につける」、「痛い方には無理して動かさない」、「世間的な常識を真に受けない」などでしょうか。