<簡単な体操を使って自分の筋肉的弱点を       克服しましょう>

  毎日、ラジオ体操程度でも運動を続けている人は決して多くはないですよね。さらに、ラジオ体操以上の負荷を伴う運動を実践されている方となると、さらに少数派になります。

 そもそもが、ラジオ体操以上の負荷を伴う運動と言われて頭に浮かぶ運動となると、数限られてきます。

 散歩、ウォーキング、ジョキング、マラソン、ゴルフ、ゲートボール、パークゴルフ、水泳、登山、ハイキング、トレッキング、ダンス、ダイエットエクササイズ・・・・・

 言えることは、確かにラジオ体操より体力は必要とするが、手軽さに欠けていたり、運動そのものが身体的クセが強すぎて、身体的な歪を作りやすい運動も多いようです。ラジオ体操のように、手軽でしかも身体的なクセを緩和したり、正常化をするような動きは無いものでしょうか?そんな、思考から生まれた教室があります。

 でも、まだまだ問題があります。それはある運動で身体の歪を改善しても、正常な状態を維持するための、筋肉や骨格の力が備わっていないことなのです。

残念ながら、このような身体の根本部分を正常に維持するための筋肉や、骨格を作るには、ある程度の我慢を要する運動が不可欠になります。

 

 以前のことですが、肺気腫を伴う方が教室に入られました。医学の常識を破り、短期間で肺気腫が大幅に改善されたことがあったのですが、当の本人はやはり運動は嫌いだということで止めてしまったのですね。世の中には、医学では不治の病といわれている病気が多々ありますが、実は、ある種の運動を続けると改善に向かうことは知られておりません。しかし、この時に一番問題になることが、解決しようとする本気の度合いであり、周りから見てもそれほど大変とは思えない程度の負荷なのですが、続かない人が多いですね。このような事象をたくさん経験しますと、「治りにくい病気の本当の原因は、その人の性格や考え方、即ち人間性にある場合もあるのでないか」とさえ思われてしまいます。

 それは、まるで神様に試されているかのように感じることすらありますね。もし、運良く、一つの難病が簡単な運動で解決に向かうとすれば、悩める方にとっては「希望の道か、救いの道」となり得るのではないでしょうか。

 

 

 ≪筋肉の働きの質を向上させよう≫

 人は皆、自分の得意とする動きがあります。また同時に他人が簡単に出来るような動きでも「自分的には苦手だ!」という、動きもあります。これらは皆、その人自身の筋肉的な特徴や特性を表しています。また、この筋肉的な特徴や特性は、時と場合によっては、本人の病気の外的な表情として問題を読み取ることも多々あります。逆の表現をあえてしますと、身体の病気もその人の身体の表面に現れた骨格的な特徴や特性を基に戻す(元気な身体のライン)ことで、病気そのものも改善に向かいやすくする。そんな整体の優れたメカニズムを利用した自分で出来る整体法を紹介します。無理をせずにチャレンジしてみましょう。

 今まで、一般的に知られることはありませんでしたが、身体的には激しい運動より驚くような軽い運動の方が、身体を調整する効果が高いです。しかし、軽い運動とだからといって適当な動きは厳禁です。正確に取扱いが必要です。そのポイントをいくつか紹介します。

 ①腕を動かした時には動かしの始まりと終わりの位置をきちっと行う(始まりや終わりの姿勢のふらつきや、腕の位置が毎回異なるようなことがないこと。)

 ②一定のリズムで行い、動かすスピードのムラがないこと。

 ③止まるところでは、必ず1・2・3・のカウントを声を出して入れる。

 

 

 ≪膝を抱えて起き上がれますか?≫

  例えば上の写真の動きですが、小学生の頃、体育の授業で誰もが簡単に出来た前転の動きの後半部分です。

  この写真のように起き上がってみましょう。起き上がれた方はOKです。起き上がれなかった方は、腹筋をはじめ背骨周りの筋肉の衰えがあります。簡単なお話をしますと、身体の丸まる力が衰えています。このように人には伸びる力や丸まる力や、走ったり飛び跳ねたりする力、バランスを取る力、反射能力などと多種多様な基礎的な筋肉の力が存在しています。しかし、大人になってからこのような力の重要性に触れる機会はありませんね。実は健康の秘密や若さの秘密の重要な要素がここに隠れていそうなのです。ここで紹介する動きの中にも、その動きが出来るのと出来ないのとでは、とても多くの身体機能の差を要因とした、体調や体型の変化に結び付きます。

 

 

≪体育座りから前転をしてみよう≫ 

(足を伸ばして座る)   (体育座り)    (膝をしっかり抱えて)  (膝を付けて)

 

 

≪A~生活で肩が前に入り気味になると、いろいろな体調変化や不具合をもたらします。≫

 この写真は前腕ぎみの両肩の位置を修正するための、背骨と腕の筋肉の連動性の、自分で出来る簡単な修正技術の一つです。

  足は肩幅に広げ両腕を腰に当て、肘を前後に動かします。この時に重要なポイントは、目線を正面前方を見据えることと、肘を前方に移動した時点で声を出してカウントします。

 両肩の位置が悪い人は、この動きを数回するだけでだるくなります。そんな方は初めは数回の動きで終了して、期間をかけて徐々に強化していきましょう。

 

 この写真は本人がニュートラルと感じている位置です。この位置には本人の背骨の状態により変わります。

 肘を前方に持って行き1・2・3とカウントしてからニュートラルに戻します。

 今度は、肘を後ろに持って行き1・2・3、そしてニュートラルに戻します。

4~5回繰り返します。 

 

 前後の肘の位置(ストローク)幅が、自然に広がると良いです。無理やりの変化を求めることは身体を逆に歪ませますので厳禁です。むしろ、こんなに楽で軽い範囲で効果があるのだろうか?という程度の負荷で動かすことが、健康の極意です。

 

 ≪A~腕を上下に振る運動です≫

 普段、あまり大きな動きをする機会は少なく、固まりがちな肩甲骨周りの筋肉。一般的には見落としがちな陰の主役です。私の経験的なお話をしますと、この筋肉は頸椎周りの問題や、心臓周りの問題と密接な関係を多々示します。

 極端な肩こりや首こりと密接な関係があり、肩を揉みほぐすより効果的な要素があります。しかし、“治療というレベル”では、かなり正確な筋肉操作や関連する連動筋肉の取扱い手順も高度なレベルが求められます。ですが、肩周りや肩甲骨周りのいろいろな運動は、続けることで思いもかけない効果をもたらします。

 

 基本的には腕を振るだけですから何も難しいことはございません。一番重要なコツは、肘の位置(腕の伸ばし方)、即ち腕を伸ばし過ぎないことです。また、この写真では、右・左と順に腕を振っていますが、両手を同時に振ることもとても良いでしょう。肩や首に、だるさを覚えたら、数回、腕を振る以外に腕を回したり肘を回したりしてだるさを解放します。

※首や他の部分に痛みが発生するような場合は、専門家の診断やアドバイスなどを受けることをお勧めします。

 

 後ろから見た姿です。背骨が傾くほど肘を伸ばさず、腕を右左交代に上下動かします。

 

 

 

 

 ≪A~腕を真横に広げ頭の上まで移動する運動です≫

 

 普段の生活で使うことが極端に少ない筋肉を動かす運動です。横に広げた腕と背中に若干の力を入れ、力を軽く入れたまま、腕を“背骨側に広げる感覚を感じながら”さらに両腕を上げていきます。この時、首が前後、左右にぶれないように注意します。また、腕の力み過ぎも厳禁です。

 肩甲骨周りが、心地良く伸びれば成功です。最初は2~3回から始めます。

 

 

 ≪A~腕を頭の上に突き上げる運動です≫

手の平を開いて突き上げても、手を握って突き上げても両方別々に行っても良いです。

  ≪A~腕を斜め上に突き上げる運動です≫

  ≪A~肩と水平に肘を上げ前にパタンと倒す運動です≫

  ≪A~脇をしめ腕を真横に開く運動です≫

  ≪AA~合掌のポーズで力を入れ左右に動かす運動です≫

  ≪A~腕を外回し・内回しの運動です≫

  ≪C~腕立てポーズから右を向く・左を向く運動です≫

肘より肩が下がるように行います。

  身体における運動効果を考える時、ここでは、三つの意味(目的)の違いを考えます。最初の一つ目の意味は、癖のついた身体や運動不足の状態に、“筋肉の無駄な緊張やコリ”などを、ほぐす目的で稼動する運動。次は、生活習慣の癖が“歪”と言われる状態まで変化した筋肉のシステムを解除するための運動操作。

最後は、ある程度“歪が修正”された状態を、維持する筋肉を育てるための運動操作。

C~の印がある運動は、歪の修正効果と修正した筋力を維持する効果があります。

A~の印の運動は、運動が苦手な人などに効果的です。

AA~の印は、この中でも特に効果的な運動なので、あまり回数をしません。